小さな良いこと

祭日、俺は仕事だ。

朝からかったるいと思い部屋を出た。

マンションのエレベーターに乗り、11階で停止。

小学校1年生くらい、赤いパジャマを着た小さな女の子が1人、乗り込んできた。

そして俺と女の子で1階に到着。

後から乗り込んだ女の子は扉に近い。

当然、俺は女の子が先に出ていくと思っていた。

しかし、違った。

この女の子は、背伸びをし、さらに右手を精一杯伸ばし、プルプルしながらエレベーターの「開」のボタンを押してくれた。

「開」「閉」ボタンは結構高い場所に位置している。

俺に先に降りてくれということだ。

俺は「かわいい」と思い、「ありがと」と女の子に言って、先にエレベーターから出させてもらった。

今考えると、お父さんのために、新聞でも取りに降りたのだろう。

 

何が俺を嬉しくさせたのか?

これも今考えると、女の子が一生懸命、ただ純粋に一生懸命だった。

その姿だ。

この女の子の頑張りで、朝から嬉しくなった。

 

よく、「最近、何か良いことない?」と尋ねてくる人がいる。

最近の俺の良いこと、今日の朝のこと。